HSBC SVNS2024開幕戦で女子日本は9位、優勝は女子オーストラリア、男子南アフリカ

HSBC SVNS 2024が12月2-3日にドバイで開幕し、女子7人制日本代表は9位。優勝は女子がオーストラリアでドバイ4連覇、男子は南アフリカで同じく5連覇だった。第2戦は一週間後にケープタウンで行われる。

来夏のパリ・オリンピック出場を決めて戦いの場をアジアから世界へ移したサクラセブンズ女子7人制日本代表は、装いも新たになったHSBC SVNS 2024シリーズ開幕ラウンドで9位に入った。

 12月2日のプール戦ではアイルランドに7-35、昨季のドバイ大会覇者で総合2位のオーストラリアには0-66と完敗し、第3戦でブラジルに迫りながらも12-21と落として3連敗。8強入りはならず、苦しいスタートとなった。

だが、順位決定戦に進んだ翌3日、立て直して9位決定準決勝に臨むと、プールA3位の英国に21-0で完勝。守備で粘りながら相手にイエローカードが出たタイミングを有効に使って得点を重ね、前半は原わか花が2連続トライ、後半には水谷咲良がトライ1本を決めて勝利した。

続く9位決定戦では南アフリカと対戦。プールA4位で9位決定準決勝でスペインに17-0と勝利した相手に、忍耐強い守備から得点を奪った。前半、大竹風美子がと水谷がトライを奪って12-0で折り返し、後半は相手に1トライを許したものの、ハードワークを続けて追加点は許さず、12-5と競り勝って9位で終えた。

 キャプテンを務めたバティヴァカロロライチェル海遥は、「初日は厳しい戦いが続いたが、二日目はチームとしてやるべきことを明確にできた」と振り返った。

 チームを率いる鈴木貴士ヘッドコーチは、「ワールドシリーズに帰って来ることができて大変うれしい。この舞台で自分たちのラグビーのレベルをもう一段階上げて、オリンピックにつなげていきたい」と述べている。

 

女子はオーストラリアが優勝、NZの連勝を止める

 女子決勝はオーストラリア対ニュージーランドで、昨季のトップ2の顔合わせとなり、これをオーストラリアが26-19で制し、ニュージーランドの連勝記録を41で止めた。

オーストラリアのTeegan Leviが前後半1トライを決め、姉のMaddison Leviが19-19の均衡を破る決勝トライをマーク。Maddisonはこの週末に決めたトライを12本とした。

 先制はオーストラリアのBienne Taritaが開始早々に決めたが、ニュージーランドはJorja Millerが最初の5分での2トライを含めてハットトリックを達成して、19-19としていた。

 オーストラリアは日本と同じプールBを3戦全勝の首位で抜けて8強に進出し、3日の準々決勝でアメリカに32-5、準決勝ではフランスに21-14と競り勝って決勝に進出。一方、昨季シリーズ覇者のニュージーランドもプールAを3戦全勝で突破。準々決勝でブラジルに26-14、準決勝ではカナダに21-19の辛勝で決勝へ進んでいた。

 オーストラリアのキャプテンCharlotte Caslickは、「リスタートとボール保持が鍵だった」と明かし、「相手にボールを触らせると危険だと分かっていたので、できるだけボールを保持しようとした」と語った。

 なお、女子3位には、カナダに26-5で勝ったフランスが入った。

 

男子は南アフリカがアルゼンチンとの接戦を制す

 男子は、昨季総合7位の南アフリカが同2位のアルゼンチンと対戦。緊迫感のある試合を12-7で制して優勝した。

 南アフリカはImpi Visser、Shilton van Wykのトライで12-0としたが、アルゼンチンが後半早々に反撃。南アフリカのRyan Oosthuizenが危険なタックルでイエローカードを受けると、数的有利となったアルゼンチンはMatias Osadczukがトライを決めて5点差とした。

 だが、南アフリカはアルゼンチンに追加点を許さず、最後までリードを守って勝利。ドバイ大会では5連覇となり、次週ケープタウンでの第2ラウンドへ弾みをつけた。

 南アフリカは昨季シリーズ覇者のニュージーランド、サモア、カナダと同組のプールAを3戦全勝で勝ち抜いて8強に進出。準々決勝でオーストラリアに24-7、準決勝で昨季3位のフィジーに14-7で勝って決勝に駒を進めていた。

 アルゼンチンはアイルランド、オーストラリア、スペインと同組のプールBを3戦全勝で突破し、準々決勝でサモアに21-14、準決勝ではニュージーランドに21-19で競り勝って決勝に進んでいた。

 3位は、フィジーに17-12で勝利したニュージーランドだった。

 HSBC SVNS 2024は今季から男女とも12チームずつのオリンピックと同じフォーマットに再編し、レギュラーシーズンは全7ラウンドを転戦。ドバイを皮切りにケープタウン、パース、バンクーバー、ロサンゼルス、香港、シンガポールで戦い、マドリードでのグランドファイナルで幕を閉じる。

 グランドファイナルでは男女とも全7ラウンドで上位8位までに入ったチームが優勝決定戦に臨み、一方で9位から12位まではワールドラグビー・セブンズチャレンジャーで上位4位までに入ったチームとともに、SVNS 2025の出場権をかけた昇降格プレーオフに臨む。