女子HSBC SVNSケープタウン大会を見逃せない5つの理由

オーストラリアはドバイでの圧倒的な活躍を経て、ケープタウン大会でも優勝候補の最有力としてスタートします。しかし、王者打倒を狙う多くの挑戦者たちがケープタウンに集結します。

一見すると、前年のチャンピオンであり、先週のドバイ大会の勝者でもありながら、記録破りのトライスコアラーを有しているオーストラリアが女子HSBC SVNSケープタウンシリーズを制するのは確実に思えます。

しかし、ラグビー、とりわけ7人制ラグビーは、そう単純にはいかないものです。127日から8日にDHLスタジアムで開催されるこの大会を見逃せない理由をご紹介します。

1. スポーツ界最大のライバル対決の次章を目撃する

オーストラリア対ニュージーランドの対戦は常に注目されますが、女子7人制チームはこのライバル関係を次の次元に引き上げています。

両国はこれまでに、過去8シーズンのHSBC SVNSシリーズのうち7回、2024年のグランドファイナル、過去2回のコモンウェルスゲーム、最新4回の7人制ワールドカップ、さらに2016年以降の3回のオリンピックで対戦しています。

両チームが対戦するたびに期待に応える試合が繰り広げられることを考えると、ケープタウンでの対戦はファンにとってはどちらに転んでも楽しみな状況です。どちらかの国がこれらの強豪を打ち破るのか、それともMaddison Levi選手やCharlotte Caslick選手(オーストラリア)がJorja Miller選手やSarah Hirini選手(ニュージーランド)と再び激突するのか、いずれにしても見逃せません。

2. 王制を打ち破るチームが現れるか

最後にオーストラリアやニュージーランド以外でHSBC SVNSシリーズを制したのは、1月のアイルランドでした。先週もフィジーや中国を快勝で下し、オーストラリアやニュージーランドを一時的に苦しめる場面がありました。

しかし、もしアイルランドがそのチームでないならば、注目はフランスに移ります。この若いチームは、先週のドバイでイギリスを下し銅メダルを獲得。しかも5人の選手で試合を戦う場面もありながら見事なパフォーマンスを見せました。昨シーズンのケープタウン決勝でもオーストラリアを追い詰めた経験があります。

一方で、若いチーム編成で苦戦しているカナダ(詳細は後述)に代わり、ダークホースとして注目されるのはグレートブリテンかもしれません。新しいラグビーディレクター、新コーチ、そしてモチベーションの高いグループを擁する彼らには、Ellie Boatman選手らの活躍が期待されます。

3. 史上最高のトライスコアラーたちに感嘆する

注目すべきはMaddison Levi選手だけではありません。確かにこのオーストラリアのスター選手はドバイで15トライ(うち2回のハットトリック)を挙げ、116試合で165トライという驚異的な記録を持っています。しかし、彼女だけが特別ではありません。

先週、アイルランドのAmee Leigh Costigan選手はLevi選手すらまだ到達していない記録を達成しました。彼女はトップレベルで通算200トライ以上を挙げた史上3人目の女子選手となったのです。

フランスのAnne-Cécile Ciofani選手(先週5トライ、昨シーズン33トライ)、イギリスのEllie Boatman選手(ドバイで6試合9トライ)、ブラジルのThalia Costa選手(通算95トライ)など、各国のスコアラーたちのプレーも必見です。

4. 新しいチームとニューフェイスを楽しむ

ドバイ大会の準々決勝進出チームに驚きは少なかったものの、それでも多くのサプライズがありました。

まず中国がその可能性を垣間見せました。昨シーズンのHSBCチャレンジャーシリーズのスターたちは、強豪アイルランドを長時間リードし、フィジーを24時間で2度破る快挙を成し遂げました。

また、スペイン女子はフランスをプールステージで破り、ブラジルは同様に観客を楽しませながらダイナミックな日本を下しました。日本はカナダを40-5という大差で破るショックを与えたばかりでした。

ケープタウンでも同様の驚きが期待されます。

5. カナダの進化を見届ける

カナダは夏のオリンピックでストーリーを生み出しました。チームは目標に向けてゆっくりと計画的に成長し、パリで銀メダルという成果を得ました。

新ヘッドコーチのJocelyn Barrieau氏は、再び同じ道を歩んでいることを隠していません。

パリのスター選手のうちわずか4人がドバイ大会に出場し、6人がSVNSデビュー、さらに20歳のCamille Arvin-Berod選手はまだ出場していません。

こうしたLA2028を見据えた初期段階の取り組みは苦難を伴うものです。先週のオーストラリア戦で39-0と完敗したのもその例です。しかし、週ごとに進歩を目指す彼女らの姿を見ることは、非常に興味深いでしょう。