「体が小さければタックルエリアで低く入れる。体重が軽ければより速く動ける」
最も的確な答えは、時にシンプルなものです。サクラセブンスのヘッドコーチに就任してまだ日が浅い兼松由香が、日本代表がHSBC SVNSの舞台で本当の強豪になった理由について話すと、それはまさにその典型でした。
「日本人は常に他国の選手と比べて小柄に見られ、私たちの個々の強みに自信を持てていませんでした。これまではそれが弱点とされていましたが、私はそれを強みに変えたいと考えました」と兼松氏は説明します。彼女の指導のもと、日本代表は現在リーグ6位につけ、4位のカナダとは勝ち点4差に迫っています。
「相手より小柄であれば、タックルエリアでより低い姿勢を取れますし、体重が軽ければ、より速く動ける。1対1で勝つのが難しい場面では、単純に数を増やして対応すればいいのです。私たちは、自分たちの弱点を強みに変えていこうと考えています。」
「すべての大会に目標とテーマを」
この意識の変化に加え、アプローチの仕方もシンプルに変わりました。
「私たちは、すべての大会に目標とテーマを設定し、選手やスタッフ全員でそれを達成することを目指しています」と、2024年8月に就任した兼松氏は語ります。
「パリオリンピックでは世界ランキング9位でしたので、ドバイ大会の目標は8位に設定しました。テーマは、スピードを活かしたプレー、個々のスピードを重視することでした。今回が初めての大会となる選手や、国際舞台での経験が少ない選手もいたため、この点にしっかりフォーカスすることが重要でした。
そして、新しい大会を迎えるたびに、前回のテーマが次の大会の土台になります。その上に積み重ねていくことで、目標も変化していきます。この取り組みが、チームの成長につながっていると感じています。」
「チームではなくスコッドに焦点を」
それは確かに結果に表れています。今シーズン、HSBC SVNSサーキットの出場権をかけた2024年のHSBCプレーオフを勝ち抜いたサクラセブンスは、ドバイ大会で目標を上回る7位に入りました。その後、ケープタウン大会で6位、パース大会で5位、バンクーバー大会では4位と、着実に順位を上げてきました。
しかし、先週末の香港大会では、勢いに乗るフランスに準々決勝で敗れ、この快進撃は一旦ストップしました。それでも、プールステージ最終戦の終了間際に不運なノックオンがなければ、日本は初めてオーストラリアに勝利していたかもしれません。
兼松氏によれば、この好成績の背景には、もう一つ重要な要素があるといいます。
「私たちは大会ごとにスコッドを入れ替えています」と、リオ五輪に日本代表として出場した経験を持つ42歳の指揮官は語ります。
「もしある選手がベストパフォーマンスの80%や70%しか発揮できないのであれば、その選手にこだわるのではなく、100%の力を発揮できる選手を起用したいと考えています。
7大会すべてに万全の状態で臨むためには、一部の選手に依存するわけにはいきません。19名のスカッド全員がプレーできる体制を整えることが重要です。」
このローテーションはキャプテンにも適用されており、兼松氏とスタッフは大会ごとに新たな主将を選出しています。
「チームとしてより一つになれる」
バンクーバー大会でキャプテンを務め、香港大会では再び一選手としてプレーした梶木真凜は、元選手である兼松氏のもとでのプレーを楽しんでいます。
「私たちは、プレーの仕方や戦い方に迷うことがありません。フォーカスポイントがあることで、いつでも立ち戻ることができ、自分たちらしさを発揮できます」と、センターの梶木は語ります。
「キャプテンが大会ごとに変わることで、それぞれが責任を持つ意識が生まれます。練習でも試合でも、一人ひとりがキャプテンの役割を理解し、それを経験することができます。それによってチームとしてより一つになり、お互いに支え合うことができるのです。
以前のチームと比べて、今は誰もが意見を言い合える雰囲気があります。」
また、梶木が感じるもう一つの違いは、「トレーニングでのフルコンタクトが増えたこと」。これにより、「試合での自信につながっている」と話します。
「メダルを目指します」
チームはすでに、5月3日の週末に開催されるロサンゼルス・グランドファイナルへの出場権を獲得しました。昨シーズンの9位から考えると、これ自体が大きな成果ですが、選手もコーチも、それ以上の結果を求めています。
「今シーズンの最終目標はメダル獲得です。必ず達成したいと思っています」と梶木は語り、兼松氏も少し笑いながら同意しました。
「次の目標は3位ですが、それは準決勝で負けることを意味しますよね」と兼松氏は笑います。「だからこそ、もちろんメダルを狙います。どの色になるかは分かりませんが。」
チャンスはあと2回。ここまでの戦いぶりを見れば、彼女たちを侮るのは危険でしょう。