男子HSBC SVNSシンガポール大会が見逃せない5つの理由

HSBC SVNSシリーズの男子大会が、いよいよクライマックスへ

今週末のシンガポールSVNSは、世界最高峰の戦いが2日間にわたって繰り広げられる大注目の大会です。見逃せない5つの理由を紹介します。

1. アルゼンチン:圧倒的な強さを誇るチーム

アルゼンチンがリーグの首位を独走するのには理由があります。2024年、Los Pumasはまさに無敵。パース大会初日のアメリカ戦(19-24)での敗戦以来、16連勝を記録しています。

その間、主要ライバルたちをすべて撃破し、直近のSVNS3大会連続優勝。
Marcos Moneta(今季28試合で20トライ)を中心としたアタックは絶好調で、ディフェンス面でもリーグトップのスタッツを誇ります。

2位フィジーとの差は12ポイント、さらにその後ろにはスペインが2ポイント差で続いています。このリードを考えれば、2年連続リーグ制覇は目前と言えるでしょう。しかし、彼らに手を抜く気配はなし。悲願のグランドファイナル優勝に向け、シンガポールでも全力を尽くす構えです。

2. 追う者たちも負けられない戦い

アルゼンチンが首位を独走しておりますが、その後ろにいるチームたちも、シンガポール大会に懸ける思いは大きいです。

まず、フィジーとスペインには逆転優勝の可能性が残されております。ただし、そのためにはどちらかがシンガポールで優勝し、アルゼンチンが8位以下に沈む必要があります。可能性は低いかもしれませんが、2日間の短期決戦というフォーマットでは、何が起こるかわかりません。

スペインが優勝すれば歴史的快挙となり、ラグビー界に与える影響は計り知れません。一方、フィジーがタイトルを獲得すれば、今季の若手中心のチームにとって理想的な締めくくりとなるでしょう。

また、その下の南アフリカは香港大会9位の雪辱を期し、フランス、オーストラリア、若手主体のニュージーランドは、今季まだ優勝のない状況を脱し、ロサンゼルスのグランドファイナルへ弾みをつけたいと考えているはずです。

上位争いだけでなく、どのチームにとっても重要な戦いとなるシンガポールSVNSから目が離せません。

3. 下位4チーム、プレーオフに向けて勢いをつけられるか

来月のロサンゼルスで開催されるHSBCプレーオフに回る4チームはすでに決定しておりますが、彼らの現在の調子はまだ定まっておりません。シンガポール大会で好成績を収め、プレーオフに向けた弾みをつけることができるかが鍵となります。

ケニアの香港大会での戦績は、このリーグの厳しさを象徴しています。初日にはスペインを圧倒しましたが、2日目にはオリンピック王者フランスに終了間際で惜敗。その結果、総合順位は10位となりました。

そのケニアを1ポイント差で追うのがウルグアイです。昨シーズン昇格を果たした南米の新鋭は、今シーズンのパース大会でフィジーとニュージーランドを破る快進撃を見せました。しかし、それ以降は苦戦が続いています。シンガポールではどちらの姿を見せるのでしょうか。

アイルランドは昨シーズン、シリーズ総合2位という躍進を遂げましたが、今季はメンバーが大きく入れ替わり、厳しい戦いが続いています。しかし、今シーズンは常に下位に沈んでいたチームが香港では見違えるような戦いぶりを披露しました。果たしてあの大会が転機となるのでしょうか?

そして最下位のアメリカ。彼らにとって希望の光となっているのが、身長198cmの快速ランナー、David Stillsの存在です。彼にボールを集めることができれば、チームにとって今シーズン最高のパフォーマンスを引き出せるかもしれません。

プレーオフを前に、下位4チームの戦いにも注目が集まります。

4. 負けられないプールステージ

ここまでの状況を踏まえれば、シンガポール大会のプールステージが「必勝戦」ばかりになるのも当然と言えるでしょう。特に、今回は3チーム×4プールの圧縮フォーマットを採用しており、各プールのトップ1チームのみが準決勝へ進出するという過酷な戦いが待っています。

例えばプールAでは、アルゼンチン、南アフリカ、グレートブリテンの3チームが同組。つまり、この3チームのうち1チームしか準決勝に進めません。さらにプールBでは、スペイン、オーストラリア、ウルグアイが同様に熾烈な争いを繰り広げることになります。

そして見逃せないのがプールDのフィジー対ニュージーランド。この試合の敗者はメダル争いから完全に脱落してしまうため、まさに「生き残りを懸けた決戦」となります。

短期間での激戦を強いられる今回のフォーマットは、一戦一戦が決勝戦のような重みを持つものとなるでしょう。開幕から目が離せません。

5. シンガポールに満ちる特別な瞬間

ここまでのポイントを読んで、シンガポール大会を見逃せない理由は十分伝わったかと思いますが、試合そのもののドラマだけではありません。この大会には、ラグビーセブンズならではの魔法のような瞬間が待っています。

例えば、香港大会で誰もが目撃した19歳のSidney Harveyの歓喜の表情。オーストラリアの銅メダルを決める劇的な試合終了間際のトライを決めた彼は、試合後にこう語りました。

「とにかくキャッチできてよかった!一生忘れられない。最高だよ!」

こうした歴史に残る名場面が、シンガポールでも生まれることは間違いありません。熾烈な戦いの果てに、どんな選手がどんな瞬間を刻むのか。シーズン最終戦となるこの舞台で、ラグビーセブンズの魅力が存分に詰まった最高のフィナーレを目撃しましょう。