男子フィジーと女子ニュージーランドが SVNSシンガポール優勝、リーグ制覇は男子アルゼンチン、女子ニュージーランドに

男子フィジーと女子ニュージーランド・ブラックファーンズが4月6日、シンガポールで行われたHSBC SVNS最終の第6ラウンドで優勝。女子のブラックファーンズセブンズは男子アルゼンチンとともに準決勝進出決定で今季SVNSのリーグ優勝も獲得し、リーグ2連覇を達成した。

 男子フィジーは決勝でケニアに21-12の逆転勝ちで今季SVNS初優勝を飾り、女子はニュージーランド・ブラックファーンズセブンズが決勝でオーストラリアに31-7の勝利を収めて、3ラウンド連続での大会優勝でレギュラーリーグ2連覇に華を添えた。

オリンピック優勝2度を誇る男子フィジーは、準決勝でアルゼンチンとの接戦を33-24で制して2016年シーズンのシンガポール大会以来の優勝を目指すケニアとの対戦に臨んだ。

ケニアのNygel Pettersan Amatisaにトライを許して前半リードされる苦しい展開となったが、後半Viwa Naduvaloの2トライとRauto Vakadranuの1トライで逆転に成功。終盤、ケニアのWilliam Mwanji Indakaluに5点を返されたものの、21-12で逃げ切った。

プレーヤー・オブ・ザ・ファイナルに選ばれたViwa Naduvaloは、「チームメイトが100%の力を発揮してくれたおかげで、我々は勝利を手にすることができた」と喜んだ。

フィジーのTira Wilag Pattersoniは、「ケニアがとても厳しくきて、非常にフィジカルで良いチームだったので、タフな試合になった」と振り返った。

男子の3位は、前節まで3ラウンド連続で優勝を遂げていたアルゼンチンで、3位決定戦でスペインに2トライ先行される展開から逆転して33-14で勝利した。アルゼンチンはシンガポール大会初日に準決勝進出を決めた時点で、昨年に続いてのリーグ制覇を確定させていた。

5位は、ウルグアイに33-29で勝った英国で、7位にはニュージーランドに21-19で競り勝ったアイルランドが入った。9位は、南アフリカでオーストラリアに26-7で勝利。11位は、フランスに17-12で競り勝ったアメリカだった。

この結果、アルゼンチンが勝ち点を104として2年連続でのリーグ優勝。総合2位のフィジー(96)には8差、3位スペイン(88)には16差を奪った。4位は南アフリカ(70)、5位フランス(65)、6位オーストラリア(57)、7位ニュージーランド(56)、8位は英国(50)。9位はケニア(36)、10位ウルグアイ(27)、11位アイルランド(23)、12位アメリカ(12)だった。

 

女子ニュージーランド、今季6大会中4大会で優勝

女子の決勝はニュージーランドとオーストラリアの香港大会に続いて同じ顔合わせとなり、今大会準決勝進出でレギュラーリーグ2連覇を決めていたニュージーランドが勢いをキープした。

準決勝でフランスに40-14と快勝したニュージーランドは、決勝でMichaela BrakeとRisi Pouri-Laneが前半にトライを決めてリードを奪った。

オーストラリアも準決勝でオリンピック銀メダリストのカナダに45-7で勝って決勝に進出。ニュージーランドに先行されたが、今季好調なMaddison Leviがハーフタイム直前に1トライを返して後半に望みをつないだ。

しかし、ハーフタイム後はニュージーランドが3本のトライをマーク。Jazmin Felix-Hotham とKelsey Tenetiがゴールラインに持ち込んで5点ずつ決め、さらにBrakeがこの試合2本目のトライを決めて突き放した。

HSBCプレーヤー・オブ・ザ・ファイナルに選ばれたRisi Pouri-Laneは、「この2週間は私たちにとって素晴らしいものになっている。オーストラリアはタレントのある選手がたくさんいて若さもあるので、いつも私たちに力を与えてくれるので、彼女たちと対戦するのは素晴らしいと感じている」と言った。

ブラックファーンズセブンズ主将のSarah Hiriniは、「このグループに興奮している」と言い、「大会優勝とタイトルをダブルで獲得して、素晴らしい気分。私たちはみんな自分たちのやっていることが大好き。この立場にいることをありがたく思っている」と話した。

Brakeは勝者のメンタリティを勝因に挙げた。「練習の度に他国と対戦しているようになる。どの練習でも毎回プレッシャーと競争を持ち続けるようにしている。ワールドシリーズで戦うときも、相手に対して同じように競争心を持ち込んでいる」

昨年のワールドラグビー・セブンズ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたオーストラリアのLeviは、決勝での1本を含めて通算トライ数を203とし、22歳の年齢で200トライ以上を決めた最速選手としてオーストラリアのCharlotte Caslickのトライ記録を塗り替えた。

3位はカナダでフランスに21-5で勝利。5位は中国に26-12で勝った日本。7位は英国に43-14で勝ったフィジーで、9位はアイルランドを17-5で下したスペインで、11位はブラジルに26-21で競り勝ったアメリカだった。

この結果、6大会中4大会を制したニュージーランドは勝ち点を116として連覇を達成。2位のオーストラリアには勝ち点10差をつけた。総合3位はフランス(勝ち点80)、4位はカナダ(72)、5位は日本(64)だった。日本の総合5位でのフィニッシュは過去最高となった。

以下、6位がアメリカ(58)、7位フィジー(46)、8位英国(43)、9位ブラジル(33)、10位中国(30)、11位アイルランド(22)、12位スペイン(14)だった。

 

ワールドチャンピオンシップ出場チーム出揃う

 シーズンの最後を飾るHSBC SVNSワールドチャンピオンシップ(5月3~4日)の出場チームも出揃った。

前節すでに出場を確定させていた男子シリーズ上位8チームと女子上位6チームに加えて、女子のフィジーと英国が7位、8位に入り、ロサンゼルス行きを決めた。

男女とも9~12位の下位チームはLAで同時に開催されるプレーオフに進出。ワールドラグビーHSBCチャレンジャーのシリーズ上位4位チームと、来季2026 SVNSの出場権をかけて戦う。

セブンズチャレンジャーの最終順位は4月11~12日にポーランドのクラクフで行われる最終ラウンドで決まる。クラクフ大会の出場チームは、男子がドイツ、カナダ、ポルトガル、地理、サモア、日本、マダカスカルとトンガで、女子はケニア、南アフリカ、アルゼンチン、コロンビア、タイ、チェキア(チェコ共和国)、ベルギーだ。

ワールドチャンピオンシップの組み合わせは、女子はプールAに五輪金メダルのニュージーランド、同銀メダルのカナダ、日本、英国。プールCにはオーストラリア、フランス、開催国アメリカでオリンピック銅メダリストのアメリカとフィジーが入った。

男子はリーグ2連覇のアルゼンチン、南アフリカ、オリンピック王者のフランスと英国。レギュラーラウンド最終戦で優勝したフィジーはプールBでスペイン、オーストラリア、ニュージーランドと同組となった。

ラグビーワールドカップ優勝を2度経験し、ワールドラグビー年間最優秀選手に3度選ばれたダン・カーターがシンガポール大会を観戦し、来月開催されるHSBC SVNSワールドチャンピオンシップについてコメントした。

「ラグビーカレンダーで目標があってプレッシャーのかかる状況は良いことで、他の多くのスポーツでもそうだと思う。シリーズの戦い、最後にチャンピオンを決めて決勝シリーズに臨む。緊張感と興奮をもたらし、いろいろなことが起こる。昨年を見ると、アルゼンチンはシリーズを通じて圧倒していたが、最後はフランスがマドリードで勝利した。ロスに行って勝つ保証はないし、すべてがあり得る。僕はこのフォーマットを楽しんでいるよ」